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タデラクトは、モロッコのマラケシュという地域を中心に伝統的に伝わる左官技術及び材料で、水硬性石灰の特徴を生かした塗り壁材です。タデラクト(TADELAKT)という名前はアラビア語の“dellek”(力を入れて形成する、こする)に由来しています。
又タデラクトの歴史の始まりは、耐水性に優れているという特徴から壺の表面の仕上げに使われていたと言われています。
タデラクトの主成分である水硬性石灰は、石灰石を焼成して作られており、水と二酸化炭素で固まる石灰です。 ギリシャやローマでは紀元前から水硬性石灰が使われていたと言われており、有名なローマの浴場、劇場の遺跡などにも水硬性石灰が残っています。
日本で昔からある石灰は気硬性石灰(空気中の二酸化炭素で固まる)で形成されていますが、その気硬性石灰よりも耐水性に優れているのが特徴です。
タデラクトは日本の漆喰磨きと似ていますが、使用する道具が違います。
日本では鏝を使用して仕上げるのに対して、タデラクトは小さな5cm程の石を使って仕上げます。そうすることによって、独特の不均一なむらのある仕上げになります。また小さな石を使うことにより、今までの壁材では出来なかった、様々な形の造形物に対応出来るので左官仕上げとしての可能性は広がります。
耐水性にも優れているので、浴室、浴槽、手洗いの水槽にも使用出来ます。
2007年8月にドイツクライデツァイト社にてタデラクトミーティングが行われ、世界7カ国 (ドイツ、日本、ロシア、イタリア、スイス、リトアニア、ルーマニア)、約80名のタデラクトの 技能者が集まり、マイスター同士の情報交換や新しい施工方法が試されました。日本からは、 左官職人の総合建築植田の植田氏と蒼築舎の松木氏に参加して頂きました。唯一のアジア参加国と いう事もあり、日本のトップクラスの左官技術と左官用鏝は注目を浴びていました。 現在ではクライデツァイト社も日本の鏝の販売を開始し、その鏝を使ってタデラクトの塗り付けが行われています。